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加賀料理の取材へ

皆さんは石川県の伝統料理、「加賀料理」をご存じでしょうか?

加賀料理は江戸時代、加賀藩の武家文化の中で生まれたものです。ただ料理を提供するだけではなく、美しい器に盛られ、おもてなしの演出が施された“総合芸術”。そこにはたくさんの魅力が詰まっています。

そんな「加賀料理」をもっと知るべく、11月14日(金)、小松市にある「日本料理 梶助」さんにお邪魔して取材をし、3代目店主梶太郎さんのご厚意で実際に加賀料理を食べさせていただきました!

私たちも初めて知る加賀料理の魅力と奥深さを皆さんにもお届けします。

素敵な空間と器でいただく治部煮と金時草のおひたし

今回、「治部(じぶ)煮」をなんと私たちの目の前で調理していただきました!

治部煮を目の前で調理してもらいました

治部煮とは鴨肉やすだれ麩、せりなどを煮たものです。その名前の由来は、人物の名前が由来であるという説や、煮ているときの音が「じぶじぶ」と聞こえるからという説があるそうです。

実際に耳を澄ませてみると「じぶじぶ」と聞こえてくる気がしました!

完成した治部煮は輪島塗のお椀で提供されます。

加賀料理の定番の治部煮

お椀のふたを開けると湯気とともに香りが広がり、彩り鮮やかな治部煮が目に飛び込んできます。 治部煮は冬に食べられる加賀料理。「どんよりとした北陸の冬を味覚だけでなく、嗅覚と視覚でも楽しませてくれるもの」と女将の梶あい子さんはおっしゃっていました。

また、金時草のおひたしもいただきました。九谷焼の器に金箔の乗った金時草。おいしいことはもちろん、見た目も美しい一品でした。

加賀野菜の一つである金時草のおひたし

店主と女将さんのお人柄とおいしいお料理に心も体も温まる、そんなひとときでした。

加賀料理に欠かせないもの

加賀料理と聞くとどうしても料理だけを想像してしまいます。しかし、加賀料理は器や空間、おもてなしなどのすべてを含めて初めて加賀料理となります。

梶助さんには、お客さんと料理人が対面するカウンター席があります。調理を担当する太郎さんは「料理がおいしいことは大前提として、食事をするお客様の様子を見て使う食材や調理方法を変えるなど臨機応変に、できる限りの対応をしておもてなしをしている」とおっしゃっていました。女将のあい子さんは、椅子や机の高さや料理を盛る器にこだわり、おもてなしと気づかせずにおもてなしをすることで心地よさを演出しているそうです。 加賀料理に欠かせないもの、それは「料理以外の部分」です。

店内には料理に使う色とりどりの器が飾られていました

このように加賀料理は料理だけでなく、おもてなしをする女将さんや空間など料理に関わるそれらすべてを掛け合わせて完成するものです。ここに加賀料理の魅力と奥深さがあるのだと感じました。

加賀料理の未来

ここまで継承されてきた加賀料理の「わざ」は職人から職人へ目で見て、口で伝えられてきました。そのため、加賀料理の定義や味はお店によってさまざまで、文字に残されていない曖昧なものとなっています。そんな加賀料理を継承するために「加賀料理技術保存会」が今年7月に発足されました。若手の育成や加賀料理の記録・保存などのため制度を整え、継承に向けて取り組んでいます。

また、梶助さんのある小松市では、小松市の料理店や旅館の女将・若女将で結成された「小珠の和(こたまのわ)」というグループがあり、和食文化やおもてなしの心を通して小松市の魅力を発信する活動を行っています。あい子さんは「地域と人を繋ぐ役割を担い、人の魅力をもって地域の魅力を発信していきたい」とおっしゃっていました。

女将さんからおもてなしの心を教わりました

おわりに

今回の取材を通して、料理だけでなく、おもてなしや器の美しさも含めて完成される加賀料理の魅力を知ることができました。

魅力あふれる加賀料理が未来にも継承されていってほしいです。

【基本情報】

名称  :日本料理 梶助
住所  :石川県小松市大和町141番地
電話番号:0761-22-8314
営業時間:昼11:30~14:00(L.O.13:30)※要予約
     夜17:30~22:00(L.O.21:30)※要予約
定休日 :水曜日・他不定休

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日本料理 梶助